ダンス

ノエ・スーリエ『The Waves』+さいたまダンス・ラボラトリ公開リハーサル 2024

標記公演と公開リハーサルを見た(3月29日 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、3月27日 同大稽古場)。ノエ・スーリエは87年パリ生まれ。カナダ・ナショナル・バレエ・スクール、パリ国立高等音楽・舞踊学校、ベルギーの P.A.R.T.S. で学ぶ。劇場公演に留まら…

2、3月の公演感想メモ(旧 Twitter)2024

* KAAT 長塚圭史『三浦半島の人魚姫』『箱根山の美女と野獣』。神奈川県を巡るファンタジー(唐十郎的な)2作。長塚の想像力と創造力が躍動する。東京都から越境して見たが、神奈川の地名が出るたびに、なぜか嬉しくなった(もちろん地元民は大喜び)。ご…

「NHK バレエの饗宴 2024」

標記公演を見た(1月27日 NHK ホール)。今現在の洋舞シーンを映像に残す貴重なアーカイブ公演である(後日 Eテレで放送予定)。3部構成の第一部は、東京シティ・バレエ団による『L'heure bleue』、第2部は永久メイ&フィリップ・スチョーピンによる『眠れ…

1月に見た公演他 2024

* 天使館『魔笛』(1月8日 KAAT 神奈川芸術劇場 ホール) 振付・演出・構成は笠井叡。笠井はポスト舞踏派と称して、これまで『櫻の樹の下には―笠井叡を踊る』、『櫻の樹の下には―カルミナ・ブラーナを踊る』を創作してきた。大植真太郎、島地保武、辻本知彦…

12月に見た『くるみ割り人形』2023

*スターダンサーズ・バレエ団(12月10日 テアトロ・ジーリオ・ショウワ) 演出・振付は鈴木稔、舞台美術・衣裳はディック・バード、照明は足立恒による。主人公のクララが、家族と訪れたクリスマス市で謎の人形劇場に入りこみ、ネズミに囚われた人形たちを…

日本バレエ協会「バレエクレアシオン」2023

標記公演を見た(12月20日 新国立劇場 中劇場)。文化庁「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環である。演目は吉﨑裕哉振付『ハイランド』、宝満直也振付『でたら芽』、石井潤振付『AYRE』。若手・中堅によるコンテンポラリーの新作と、故人とな…

芸劇 dance ワークショップ 2023 発表公演『√オーランドー』

標記公演 GP を見た(12月21日 東京芸術劇場 シアターイースト)。講師・構成・振付・出演は中村蓉、原作はヴァージニア・ウルフの同名作、出演はワークショップ参加者15人で、ダンサー、俳優、劇作家、勤め人、看護師、研究者、学生が含まれるという。2か…

2023年公演総括

2023年の舞踊公演を振り返り、印象に残った振付家・ダンサーを列挙する(含2022年12月)。すでにコロナ関連の劇場規制はなく、通常の上演形態に戻った。コロナ禍の名残りとしては、バレエ公演におけるスタンディングオベーションが挙げられる。声を出せない…

10、11月の公演感想メモ(旧Twitter)2023

*NBAバレエ団ジュニアカンパニー公演。エリザレフ版『エスメラルダ』第2幕と『パキータ』の演出・指導が素晴しい。前者のフランス風群舞とドラマ性、後者のスペイン風群舞と技巧。本公演でも見たい。岩田雅女振付『Schritte』は女性群舞のコンテ作品。師匠…

東京バレエ団『かぐや姫』新制作

標記公演を見た(10月22日 東京文化会館 大ホール)。本作は第1幕を2021年秋、第2幕を2023年春に発表、今回初めて全3幕が通しで上演された。演出・振付は Noism Company Niigata 芸術監督の金森穣、音楽はドビュッシーの音楽を選曲、衣裳デザインに廣川玉…

中村蓉 単独公演『f マクベス』2023【追記】

標記公演を見た(9月23日夜 吉祥寺シアター)。振付・構成・演出:中村蓉、映像・ドラマトゥルク:中瀬俊介、演出アドバイザー:長谷川暢、振付・演出アシスタント:安永ひより、舞台監督:熊木進、照明:久津美太地、音響:相川貴、衣裳:田村香織、音楽協…

7、8月に見たガラ公演 2023

● 「オペラ座ガラ―ヌレエフに捧ぐ」Bプロ(7月30日 東京文化会館大ホール) 演目は以下の通り。 『ゼンツァーノの花祭り』ブルノンヴィル パク・セウン、ポール・マルク 『ナポリ』よりパ・ド・シス ブルノンヴィル ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィ…

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2023

標記公演を見た(8月11, 13日 新国立劇場 中劇場)。「日本バレエ協会新進バレエ芸術家育成支援事業」の一環で、今年は9支部と東京地区により、11作品が上演された(関東支部は2作品、東京地区は本部出品作品の枠を引き継ぎ、両日共通の1作品)。内訳は創…

新国立劇場「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2023」

標記公演を見た(6月25日 新国立劇場 中劇場)。現代舞踊協会の制作協力(企画運営委員会代表:正田千鶴)を得て、日本モダンダンスの歴史を概観する企画、その第4弾である。前3回の上演演目は以下の通り。 ・2014年―『日本の太鼓』(振付:江口隆哉、51年…

東京バレエ団『スプリング・アンド・フォール』『イン・ザ・ナイト』『かぐや姫』第2幕 2023

標記公演を見た(4月30日 東京文化会館 大ホール)。ノイマイヤー、ロビンズ、金森穣作品によるトリプルビル。音楽はドヴォルザーク、ショパン、ドビュッシーの組み合わせとなった。 幕開けのノイマイヤー振付『スプリング・アンド・フォール』(1991年/団初…

3月に見た振付家 2023

3月に見た振付家について、メモしておきたい。 ● ウィリアム・フォーサイス @ 東京シティ・バレエ団「トリプル・ビル 2023」(3月5日 ティアラこうとう大ホール) 作品は『ArtifactⅡ』(84年)。同時上演はバランシン振付『Allegro Brillante』(55年)、…

福田紘也作品評 2016-2023

福田紘也が新国立劇場バレエ団を退団した。コンセプチュアルなアプローチができるバレエ団唯一の振付家である。今後は裏方でその優れたクリエイティビティを発揮することになるが、機会を見て振付作品を発表してほしい。これまでの作品評は以下の通り。 『福…

東京バレエ団✕新国立劇場バレエ団 団員振付公演 2023

東京バレエ団と新国立劇場バレエ団が踵を接して、所属団員による振付作品集を上演した。前者は「Choreographic Project 2023」(3月18, 19日 東京バレエ団 Aスタジオ)、後者は「DANCE to the Future 2023」(3月24, 25昼夜, 26日 新国立劇場小劇場)である…

スターダンサーズ・バレエ団「MISSING LINK」2023

標記公演を見た(3月2日 東京芸術劇場 プレイハウス)。「MISSING LINK」は公演名で、第1部『01』、第2部『Degi Meta go-go』の2作品によって構成される。前者は新作、後者は 1997年『KATSUO NI SILAGA』として初演され、2002年にはドイツ公演も行なわれ…

2月に見た公演 2023

2月に見た公演について、メモしておきたい。 ● 全国共同制作オペラ『田舎騎士道』+『道化師』(2月3日 東京芸術劇場 コンサートホール) 演出は元宝塚歌劇団演出家の上田久美子(美術、大阪弁字幕も)、振付は『田舎騎士道』が前田清実、柳本雅寛、『道化…

1月に見た公演 2023

1月に見た公演について、メモしておきたい。 ● ケダゴロ『ビコーズカズコーズ』(1月12日 東京芸術劇場 シアターイースト) 振付・構成・演出は下島礼紗。殺人を犯し、時効成立の21日前に逮捕された福田和子をモチーフとした作品である。女囚とホステス・ア…

12月に見た公演 2022

2022年12月に見た公演について、メモしておきたい。 ● ブラレヤン・ダンスカンパニー『LUNA』(12月3日 KAAT 神奈川芸術劇場 ホール) YPAMディレクション。台湾先住民 パイワン族出身の振付家ブラレヤン・パガラファの振付で、台湾の様々な先住民族と漢民族…

山崎広太 劇場プロジェクト『机の一尺下から陰がしのび寄ること』2022

標記公演を見た(12月28日 BankART Station)。山崎広太による日本では15年ぶりのフルイヴニング公演とのことだが、昨年末には2日間にわたる13時間公演を実施している(2021年12月25, 26日 スパイラルホール)。この時は観客がダンサーを3方で囲む体育館形…

笠井叡『櫻の樹の下には―カルミナ・ブラーナを踊る―』2022

標記公演を見た(11月23日 吉祥寺シアター)。昨年2月に続き、笠井叡が5人の男性ダンサーに振り付ける一晩物である。大植真太郎、島地保武、辻本知彦、森山未來、柳本雅寛(五十音順、辻本のシンニョウは一つ点)は、全員が振付家、踊り盛りで男盛り。荒武…

日本バレエ協会「バレエクレアシオン」2022

標記公演を見た(11月15日 新宿文化センター)。文化庁「次代の文化を創造する新進芸術家育成支援事業」の一環である。プログラムは、髙原伸子振付『沈黙の中庭』、池上直子振付『牡丹灯篭』、下村由理恵振付『氷の精霊』によるトリプル・ビル。全員女性だが…

牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』2022

標記公演を見た(9月4日 東京文化会館 大ホール)。昨年10月28日に87歳で逝去した牧阿佐美の追悼公演。公演直後の9月6日には、バレヱ団と、牧が長年舞踊芸術監督を務めた新国立劇場の運営財団による「お別れの会」が、新国立劇場 中劇場で盛大に執り行われ…

『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』2022

標記公演を見た(9月1日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール)。主催・企画・制作:彩の国さいたま芸術劇場、テキスト・演出:岡田利規、共同振付:岡田+湯浅永麻+太田信吾、出演:湯浅+太田による。岡田は公演プログラムのコメントで次のように語っている。…

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2022

標記公演を見た(8月12、14日 新国立劇場 中劇場)。文化庁委託事業「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環である。今年は全国13支部のうち7支部が参加、東京地区、本部作品を含め、11作品が出品された。古典は4作、古典改訂は3作、創作は4作…

「NHK バレエの饗宴 2022」

標記公演を見た(8月13日 NHKホール)。昨年はコロナ禍ということもあり、国内4つのバレエ団が得意のレパートリーを持ち寄る形式だったが、今回は「饗宴」本来の姿に戻っている。コロナ禍は相変わらずで、出演者の変更を余儀なくされたものの、内外のダンサ…

7月に見た公演 2022

● 鈴木ユキオ『刻の花 トキノハナ』『moments』(7月1日 シアタートラム) 『刻の花』は昨年の「中央線芸術祭」で発表した作品を再創作したもの。写真家 八木咲の写真と、八木が舞台上で撮ったライブ写真と共に踊る鈴木のソロダンスである。『moments』は安…