フェルディナント・ホドラー展2014

標記展覧会を見た(11月21日 国立西洋美術館)。高校時代に大原美術館で『木を伐る人』を見て以来、好きな画家だった。画業を辿るのは初めて。ふんふんと見ていくと、『オイリュトミー』の題字が。ルドルフ・シュタイナーと関係があるのかと思いながら、次の部屋に行くと、エミール・ジャック=ダルクローズの「リトミック」の写真や彼のホドラー評が、参考資料として展示されていた。ホドラーの『昼』が、ジャック=ダルクローズの音楽と身体表現に影響を与えた可能性があるらしい。シュタイナーもジャック=ダルクローズもホドラーと同世代。同じ気運のなかで、生きてきたのだろうか。
画家ではやはりムンクに似ているなあと思う(同世代)。あとゴッホとか。途中で椅子に置いてある図録を見ていたら、『傷ついた若者』の参考図として、『ウィーン分離派展ポスター』が載っていたので驚いた。学生時代、机の前にずっと飾っていたお気に入りだったから。SECESSIONという文字の下に雲が描いてあって、一番下に傷ついた裸の若者が横たわる水色の絵葉書。一気に当時の気分を思い出した。
見ている時は、ふんふんだったが、見終わって体がほぐれているのに気が付いた。いいダンスを見た時と同じような感じ。一人のアーティストの個性に触れたから? 肉体を描いているから? 温泉効果とまでは行かないが、垢が取れたすっきりした気持ちになった。複数の画家を取り上げる美術館展では、なかなかこうはならない。