新国立劇場オペラ『マノン・レスコー』2015/バレエ公演のオケについて

標記公演を見た(3月9日 新国立劇場オペラパレス)。プッチーニのオペラ。2011年3月に予定されていたが、東日本大震災が直前に起こり、上演中止になった。指揮者を除いてほぼ同じ座組みを目指したので、4年後になったらしい。バレエの「ダイナミック・ダンス」も中止になったが、こちらは2013年1月に上演されている。その際、ゲネプロを一般公開して義援金を募るなど、芸術監督ビントレーの被災地への思いが強く感じられた。今回は表立っての言及はなし。観客もあまり感慨がなさそう。
初めて聴く『マノン・レスコー』は、いわゆる「マノン」の世界ではなく、プッチーニの世界だった。ひたすら男女が愛を歌う。ああプッチーニだなあと思いながら聴いた。マスネの『マノン』も見たことあるが、デ・グリューの神学校生活の場面があり、もっとストイックだった気がする(もちろんマクミランの『マノン』が、自分の中のいわゆる「マノン」の世界)。
聴き終えて、家路につき、夜寝るまで、すごく快復した気持ちに。プッチーニはそれほど好きではないのに。東京交響楽団の豊かな音が充填されたからだと思う。知人によると、指揮者がもっと弦を揺らさないとプッチーニではないとのことだが、文句はない。前日まで、日本バレエ協会の『コッペリア』を、東京ニューシティ管弦楽団で聴いていたので。指揮はアレクセイ・バクラン。
東京ニューシティは、東京小牧バレエ団公演では内藤彰が必ず指揮をして、音楽的に満足のいく舞台をお膳立てするのだが、今回のバレエ協会公演では、調子がよくなかった。一番の見せどころで、ヴィオラのソロは舞台を助けているとは言えなかった。また東京フィルのチェロが首席奏者に入っている。よくあることなのか。
バクランは、2月17〜22日に新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』を振り、東響のあまりの熱演に狂喜していたが、その後、2月28日と3月1日にバレエ研修所で東京フィル(未見)、3月7日と8日昼夜に日本バレエ協会コッペリア』で東京ニューシティ、3月14〜22日に新国立劇場バレエ団「トリプル・ビル」で東京フィルを振る、というスケジュールだった。東京のオケ状況について、感想を聞いてみたい。