2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

バレエシャンブルウエスト 「トリプル・ビル」 2017

標記公演を見た(6月18日 オリンパスホール八王子)。恒例のトリプル・ビルは、『ドン・キホーテ』第3幕よりグラン・ディベルティスマン、田中祐子振付『heads or tail(表と裏)』、今村博明・川口ゆり子振付『四季』という構成。古典バレエ、モダン創作、…

チェルフィッチュ 『部屋に流れる時間の旅』 2017

標記公演を見た(6月22日 シアタートラム)。作・演出は岡田利規。ジャンルとしては演劇だが、ダンスを見たような感触が残った。身体に注視させられたこと(特に吉田庸)、ピエタのようなフォルムが形成されたこと(立ち位置は男女逆)、光るものと回るもの…

牧阿佐美バレヱ団『ドン・キホーテ』2017

標記公演を見た(6月10,11日 文京シビックホール)。演出・振付はアザーリ・プリセツキーとワレンティーナ・サーヴィナ。1989年の導入以来、再演を重ねる重要なレパートリーである。プリセツキー版の特徴は、幕ごとのカーテンコールが残され、昔ながらの劇場…

ボリショイ・バレエ『ジゼル』『白鳥の湖』『パリの炎』2017

標記公演を見た(6月4昼,7,14日 東京文化会館)。元マリインスキー・バレエの芸術監督だったマハール・ワジーエフが、ボリショイ・バレエの監督になって初めての来日公演。『ジゼル』(87年)と『白鳥の湖』(01年改訂)は伝統のグリゴローヴィチ版だが、『…

セルゲイ・ヴィハレフを追悼する2017

マリインスキー・バレエの元ファースト・ソリストで、同団の指導者、ノヴォシビリスク・バレエの芸術監督を務めたセルゲイ・ヴィハレフが、6月3日、55歳の若さで急逝した。氏の功績は、舞踊譜によるプティパ作品の復元を本格化させたことにある。マリイ…

Noism01 『Liebestod』2017

標記公演を見た(6月2日 彩の国さいたま芸術劇場大ホール)。金森穣の新作『愛の死』と、山田勇気振付のNoism2レパートリー作品『Painted Desert』(14年)によるダブル・ビル。 金森の新作『愛の死』は、ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲と、…

「木下晋展 表現の可能性」2017【追記】

標記個展を見た(6月1日 ギャラリー枝香庵7・8F)。木下は鉛筆のみで対象の実存に肉薄する特異な画家である。最初見たときはその濃密さに、鉛筆で描いたとは思えなかった。いわゆるデッサンではなく、鉛筆が表現手段として選ばれている。真っ黒な画面は、線…

Kバレエカンパニー『海賊』2017

標記公演を見た(5月27日 オーチャードホール)。2007年初演の熊川哲也版。その特徴は独自の選曲にある。アダンを中心に、歴代の追加作曲家、オルデンブルク公爵、プーニ、ドリーブ、ミンクス、ドリゴの、バレエ音楽、劇音楽から構成されている。中でも印象…