2020-01-01から1年間の記事一覧

大和シティー・バレエ『美女と野獣』2020

標記公演を見た(12月27日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール メインホール)。演出・振付は宝満直也、美術は長谷川匠、衣裳デザインはプロデューサーの佐々木三夏、音楽はショスタコーヴィチ曲による全2幕の物語バレエである。ヴィルヌーヴ夫人の…

2020年公演総括【追記】

2020年の洋舞公演を振り返る(含2019年12月)。 コロナ禍のため、今年は昨年12月から3月までと、7月から11月までの実質9ヵ月の総括になる。自粛期間中は映像配信が充実し、世界のダンス事情を知ることができたが、パフォーミング・アーツの本質、「演者と…

新国立劇場ダンス『Shakespeare The Sonnets』2020

標記公演を見た(11月28, 29日 新国立劇場中劇場)。構成・演出・美術原案・振付は中村恩恵、音楽はディルク・P・ハウブリッヒ。シェイクスピアの『ソネット』に登場する詩人(私)、青年、ダークレディを軸に、『R&J』、『オセロ』、『夏の夜の夢』、『…

10月、11月に見た振付家・ダンサー2020

● 松崎えり @ 松本大樹監修ダンスブリッジ「ダンスは時代とともに」(10月24日 セッションハウス+配信) 標題は『その空のあおさに友は目を潤す』。同時上演は柿崎麻莉子作・出演、中村蓉演出『drug』。観客の作品理解を深めるため、公演配信前に、平田友…

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』2020

標記公演を見た(10月23日、24日昼、25日、31日昼夜、11月1日 新国立劇場オペラパレス)。今季より就任した吉田都芸術監督初のシーズン開幕公演である。当初はピーター・ライト版『白鳥の湖』を予定していたが、コロナ禍により、前季ラインナップの『ドン・…

バレエシャンブルウエスト『コッペリア』2020

標記公演を見た(10月10日 オリンパスホール八王子)。本来は6月7日に公演予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため延期となり、仕切り直しての上演である。観客の体温検査、手の消毒、来場者カード、市松模様の座席配置など、念入りなコロナ対策…

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』2020

標記公演を見た(10月3日 文京シビックホール 大ホール)。同団では1982年にウェストモーランド版を導入。以来、再演を重ねる重要なレパートリーの一つとなった(今回は12回目)。振付のテリー・ウェストモーランドは、1958年に英国ロイヤル・バレエに入団し…

島地保武 @ Open Lab「ダンサー言葉で踊る」vol.3 2020

標記イベントを見た(9月12日 Dance Base Yokohama)。表題は「W. フォーサイスと出会う~Before & After~」。 当日、DaBY 最寄り駅「馬車道」の改札を出ると、巨大な構造物が地下広場に。Bank ART Studio NYK の内外を簀子(?)で覆った、あの川俣正の作…

山崎広太+久保田舞 @「ダンステレポーテーション」展 インスタレーションパフォーマンス 2020

標記パフォーマンスを見た(8月 28日 KITANAKA BRICK&WHITE BRICK South 1F)。山崎広太の新プロジェクト「ダンステレポーテーション」展(コチラ)から派生した企画で、同展に参加したダンサーのうち4名が出演した。小暮香帆、久保田舞、栗朱音、望月寛斗…

大和シティーバレエ「Summer Concert 2020」

標記公演を見た(8月14日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール)。コンサートの表題は「想像×創造」。佐々木三夏プロデューサー指揮の下、今回もコンテンポラリーからバレエまで、意欲的な創作が並んだ。会場入口には消毒液が置かれ、スタッフはマス…

牧阿佐美バレヱ団「サマー・バレエコンサート 2020」

標記公演を見た(8月11日 文京シビックホール 大ホール)。牧阿佐美バレヱ団8か月ぶりの舞台公演である。昨年末の『くるみ割り人形』を最後に、3月公演『ノートルダム・ド・パリ』、6月公演『ロメオとジュリエット』が、新型コロナウィルス感染拡大防止の…

山崎広太@「ダンステレポーテーション」展 2020

標記展オープニングトーク&パフォーマンスを見た(8月6日 Dance Base Yokohama)。本展は、山崎広太と11人のダンサーによる 言葉と映像を媒体にしたダンス展である(8月7日~9月13日)。5月に Dance Base Yokohama(DaBY)のオープニングイベントとして企…

新国立劇場バレエ団『竜宮』2020

標記公演を見た(7月25日夜, 26日昼夜 新国立劇場オペラパレス)。今年の「新国立劇場こどものためのバレエ劇場」は、東京オリンピック・パラリンピックに合わせて企画された 令和2年度日本博主催・共催型プロジェクトの一環でもあった。「日本の美」を内外…

阪本順治『一度も撃ってません』2020

標記映画を見た(7月6日 TOHOシネマズ池袋)。阪本順治監督の新作。尚かつ、同映画館の開館4日目だった。キャストは、作家:石橋蓮司、その妻:大楠道代、友人:岸部一徳、桃井かおり、編集者:佐藤浩市、ほかに豊川悦司、江口洋介、妻夫木聡といった個性派…

ボリショイ・バレエ in シネマ『ジゼル』2020【追記】

標記映像を見た(6月24日 TOHOシネマズ日本橋)。2020年1月26日、ボリショイ劇場から世界へ生中継された公演の収録映像である。振付はアレクセイ・ラトマンスキー、振付助手はタチアナ・ラトマンスカ、美術はロバート・パージオラ(アレクサンドル・ブノワに…

熊川哲也のこと2020

前々回ブログに続く。上京後、パフォーミング・アーツを見られる環境になったものの、文学と映画という複製技術による芸術の周辺をぐるぐる回っていた(+美術)。経済的なことに加え、プロテスタント的な禁欲が、劇場に行くことを阻んでいたのだ(今でも映…

盆踊りのこと2020

前回触れた盆踊りのことを書いておきたい。が、その前に、SWITCHインタビュー達人達「神田松之丞 × いとうせいこう2017」(NHK Eテレ 5/30)について少し。松之丞(現伯山)がなぜ講談師になったか、その経緯を語る。「小4の時、父が自死。遺書のふるえる字…

2月27日以後2020(番外編)

舞踊の公演評を書くこと、記録を残すことが自分の務めだと思っている(勝手に)。「記録を残す」とは師匠 長谷川六の言葉。メモを取る、数を数える、時間を計るなど、評を書く基本を教わった。さらに「批評をする者は、プログラムに書いてはいけない」との名…

2月27日以後 2020

2月26日の夕方、新国立劇場バレエ団の『マノン』(小野絢子・福岡雄大主演)に向かう途中、同劇場からのメールを読んだ。 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る文部科学大臣からの要請を受けて、新国立劇場では、感染症拡大のリスクを低減する観点から…

風間サチコ「セメントセメタリー」2020 【訂正】

標記個展を見た(2月8日, 28日 無人島プロダクション)。風間は、個展直前の1月、新鋭作家を助成する第30回タカシマヤ美術賞を、映像の小泉明郎、現代美術グループ「コンタクトゴンゾ」と共に受賞した(2月4日 朝日新聞)。また個展期間(2月8日~3月8日)…

山本康介『英国バレエの世界』2020【追記】

標記書籍を読んだ(3月23日)。ダンサー山本康介を見たのは、バーミンガム・ロイヤル・バレエ退団後、バレエシャンブルウエストの『おやゆび姫』と『ルナ』において。それぞれ、つばめと長耳(うさぎ)の役を、パワフルに踊った印象がある。一方、振付家とし…

パリ・オペラ座バレエ団『ジゼル』『オネーギン』2020

標記公演を見た(2月28日、3月6日 東京文化会館 大ホール)。3年ぶりの来日公演。前回はミルピエ前芸術監督の決めたプログラムだったが、今回はオーレリー・デュポン現監督が、オペラ座伝統の『ジゼル』と、クランコの『オネーギン』を選択した。後者はマチ…

新国立劇場バレエ団『マノン』2020

標記公演を見た(2月22, 23, 26日 新国立劇場オペラパレス)。マクミランの最高傑作『マノン』は、74年英国ロイヤル・バレエにより初演。その後、世界各地で上演されるモダン・バレエの古典となった。新国立では03年初演、12年の再演を経て、今回が8年ぶり…

2月に見た振付家 2020

★スー・ヒーリー@『ON VIEW : Panorama』(2月2日 横浜赤レンガ倉庫1号館 3F ホール) 「横浜ダンスコレクション2020」開幕公演で世界初演。振付・演出・映像はヒーリー、出演は、日本の浅井信好、湯浅永麻、香港のジョゼフ・リー、ムイ・チャック–イン、…

東京シティ・バレエ団『眠れる森の美女』2020

標記公演を見た(2月16日 ティアラこうとう 大ホール)。都民芸術フェスティバル参加公演。同団の『眠れる森の美女』先行版としては、有馬五郎版が、1968年の創立から10年間上演されている(プログラム)。その後レパートリーから外れ、バレエ団は3大バレエ…

日本バレエ協会『海賊』2020

標記公演を見た(2月8日、9日昼夜 東京文化会館 大ホール)。都民芸術フェスティバル参加公演。新振付・構成演出は、ウクライナ国立アカデミー・オペラ・バレエ劇場バレエ団の元主役ソリストで、同劇場振付家のヴィクトール・ヤレメンコ、振付補佐に夫人で同…

1月に見た振付家2020

★山田うん『NIPPON CHA! CHA! CHA!』(1月10日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ) 如月小春の同名戯曲(88年)を、演劇とダンスの両方で演じる特異な二本立て。構成・振付・演出 山田うん、音楽 ヲノサトル、空間構成 光嶋裕介。1時間づつ上演するのかと思…

谷桃子バレエ団『リゼット』&『Fiorito』2020

標記公演を見た(1月18日 東京文化会館大ホール)。創立70周年を記念する新春公演は、バレエ団の歴史的遺産『リゼット』と、伊藤範子の新作『Fiorito』の二本立て。「古典と創作」を活動の柱とする同団らしいプログラムである。 幕開けの『Fiorito』は「花盛…

新国立劇場バレエ団「ニューイヤー・バレエ」2020

標記公演を見た(1月11, 12, 13日 新国立劇場オペラパレス)。今年はバランシン振付『セレナーデ』(34, 35年)、牧阿佐美改訂・振付『ライモンダ』よりパ・ド・ドゥ(04年)、『海賊』よりパ・ド・ドゥ、クリストファー・ウィールドン振付『DGV』(06年)新…

『くるみ割り人形』+『かもめ食堂』2019

★Kバレエカンパニー(11月28日 オーチャードホール) 熊川哲也版。ホフマン原作の複雑な時空を反映。ヨランダ・ソナベントの華麗な美術がマジカルな空間を作る。マリー姫の浅野真由香は明るく爽やか、王子の遅沢佑介はノーブル、クララの河合有里子は可愛ら…