2023-01-01から1年間の記事一覧

芸劇 dance ワークショップ 2023 発表公演『√オーランドー』

標記公演 GP を見た(12月21日 東京芸術劇場 シアターイースト)。講師・構成・振付・出演は中村蓉、原作はヴァージニア・ウルフの同名作、出演はワークショップ参加者15人で、ダンサー、俳優、劇作家、勤め人、看護師、研究者、学生が含まれるという。2か…

2023年公演総括

2023年の舞踊公演を振り返り、印象に残った振付家・ダンサーを列挙する(含2022年12月)。すでにコロナ関連の劇場規制はなく、通常の上演形態に戻った。コロナ禍の名残りとしては、バレエ公演におけるスタンディングオベーションが挙げられる。声を出せない…

12月の公演感想メモ(旧Twitter)2023

*新国立オペラ『こうもり』、久しぶりに見た。シュトラウスの音楽を聴いていると、R・プティの振付が思い出され、胸が締め付けられる。プティの絶妙な選曲、振付の音楽性、独創性は傑出している。『コッペリア』もいいが、傑作バレエ『こうもり』もぜひ再演…

東京バレエ団『眠れる森の美女』新制作 2023

標記公演を見た(11月11, 12, 18日 東京文化会館 大ホール)。つい20日前に、同じく新制作でコンテンポラリー色の強い創作全幕『かぐや姫』を初演したばかり。10日間しかスタジオを使えなかったとのことだが、バレエ団 OG・OB、学校生を含む大所帯の古典全幕…

10、11月の公演感想メモ(旧Twitter)2023

*NBAバレエ団ジュニアカンパニー公演。エリザレフ版『エスメラルダ』第2幕と『パキータ』の演出・指導が素晴しい。前者のフランス風群舞とドラマ性、後者のスペイン風群舞と技巧。本公演でも見たい。岩田雅女振付『Schritte』は女性群舞のコンテ作品。師匠…

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』2023

標記公演を見た(10月20, 21昼, 22夜, 27昼, 28日昼夜 新国立劇場オペラパレス)。3年振り10回目の上演である。今回は改訂振付の元ボリショイ劇場バレエ芸術監督 アレクセイ・ファジェーチェフが来日し、直接指導を行なった。最大の変化は脇役陣の演技。一…

K-BALLET TOKYO『眠れる森の美女』新制作 2023

標記公演を見た(10月25日 東京文化会館 大ホール)。演出・振付・台本・音楽構成は芸術監督の熊川哲也(原振付:マリウス・プティパ)、舞台美術デザインはダニエル・オストリング、衣裳デザインはアンゲリーナ・アトラギッチ、照明デザインは足立恒という…

東京バレエ団『かぐや姫』新制作

標記公演を見た(10月22日 東京文化会館 大ホール)。本作は第1幕を2021年秋、第2幕を2023年春に発表、今回初めて全3幕が通しで上演された。演出・振付は Noism Company Niigata 芸術監督の金森穣、音楽はドビュッシーの音楽を選曲、衣裳デザインに廣川玉…

バレエシャンブルウエスト『ドン・キホーテ』2023

標記公演を見た(10月8日昼 J:COM ホール八王子)。昨夏 清里フィールドバレエで上演された短縮版を、全3幕に改訂。演出振付は、今村博明、川口ゆり子、イルギス・ガリムーリン、成澤淑榮による。ガリムーリンと成澤が所属していたモスクワ・クラシック・バ…

中村蓉 単独公演『f マクベス』2023【追記】

標記公演を見た(9月23日夜 吉祥寺シアター)。振付・構成・演出:中村蓉、映像・ドラマトゥルク:中瀬俊介、演出アドバイザー:長谷川暢、振付・演出アシスタント:安永ひより、舞台監督:熊木進、照明:久津美太地、音響:相川貴、衣裳:田村香織、音楽協…

8月に見たバレエ公演 2023

★ NBAバレエ団『ドラキュラ』(8月6日 新国立劇場 中劇場) マイケル・ピンク振付の『ドラキュラ』は、ブラム・ストーカーの原作100周年を記念し、1996年にノーザン・バレエで初演された。作曲はフィリップ・フィニー、舞台装置・衣裳はレズ・ブラザーストン…

7、8月に見たガラ公演 2023

● 「オペラ座ガラ―ヌレエフに捧ぐ」Bプロ(7月30日 東京文化会館大ホール) 演目は以下の通り。 『ゼンツァーノの花祭り』ブルノンヴィル パク・セウン、ポール・マルク 『ナポリ』よりパ・ド・シス ブルノンヴィル ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィ…

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2023

標記公演を見た(8月11, 13日 新国立劇場 中劇場)。「日本バレエ協会新進バレエ芸術家育成支援事業」の一環で、今年は9支部と東京地区により、11作品が上演された(関東支部は2作品、東京地区は本部出品作品の枠を引き継ぎ、両日共通の1作品)。内訳は創…

7月に見たバレエ公演 2023

● 牧阿佐美バレヱ団『三銃士』(7月1、2日 新国立劇場中劇場) アンドレ・プロコフスキー振付『三銃士』(80年 オーストラリア・バレエ)は、1993年に団初演された。再演を繰り返す重要なレパートリーで、振付家の音楽性、技巧性、ユーモアが炸裂するロマン…

新国立劇場「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2023」

標記公演を見た(6月25日 新国立劇場 中劇場)。現代舞踊協会の制作協力(企画運営委員会代表:正田千鶴)を得て、日本モダンダンスの歴史を概観する企画、その第4弾である。前3回の上演演目は以下の通り。 ・2014年―『日本の太鼓』(振付:江口隆哉、51年…

英国ロイヤル・バレエ団「ロイヤル・セレブレーション」『ロミオとジュリエット』2023

標記公演を見た(6月24日昼、30日 東京文化会館 大ホール)。昨夏にバレエ団公認「ロイヤル・バレエ・ガラ」を上演したが、バレエ団本体としてはコロナ禍を挟んで4年振りの来日である。プログラムは「ロイヤル・セレブレーション」と、マクミラン版『ロミオ…

新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』2023

標記公演を見た(6月10日, 11日昼夜, 17日昼夜 新国立劇場オペラパレス)。団初演は2021年シーズン開幕公演、1年半振りのピーター・ライト版『白鳥の湖』である(全9回)。振付はプティパ、イワノフ、ピーター・ライト、演出はライト、ガリーナ・サムソワ…

5月に見た公演 2023

● スターダンサーズ・バレエ団『The Concert』他(5月13日 テアトロ・ジーリオ・ショウワ) 昨年9月に上演されたトリプル・ビルが場所を変えて再演された。プレイハウスからオペラハウスへと客席が拡大、親子連れの多い客層を前に、初演と同じ質の高さを保…

東京バレエ団『スプリング・アンド・フォール』『イン・ザ・ナイト』『かぐや姫』第2幕 2023

標記公演を見た(4月30日 東京文化会館 大ホール)。ノイマイヤー、ロビンズ、金森穣作品によるトリプルビル。音楽はドヴォルザーク、ショパン、ドビュッシーの組み合わせとなった。 幕開けのノイマイヤー振付『スプリング・アンド・フォール』(1991年/団初…

新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」新制作 2023【追記】

標記公演を見た(4月29日, 5月3, 5, 6日 新国立劇場 オペラパレス)。4月29日から5月6日までの7回公演。一部を除いてほぼWキャストの上演である。演目は新制作『マクベス』(原作:1606年?)と、団初演のアシュトン版『夏の夜の夢』(1964年、原作:1595, 6…

3月に見た振付家 2023

3月に見た振付家について、メモしておきたい。 ● ウィリアム・フォーサイス @ 東京シティ・バレエ団「トリプル・ビル 2023」(3月5日 ティアラこうとう大ホール) 作品は『ArtifactⅡ』(84年)。同時上演はバランシン振付『Allegro Brillante』(55年)、…

福田紘也作品評 2016-2023

福田紘也が新国立劇場バレエ団を退団した。コンセプチュアルなアプローチができるバレエ団唯一の振付家である。今後は裏方でその優れたクリエイティビティを発揮することになるが、機会を見て振付作品を発表してほしい。これまでの作品評は以下の通り。 『福…

東京バレエ団✕新国立劇場バレエ団 団員振付公演 2023

東京バレエ団と新国立劇場バレエ団が踵を接して、所属団員による振付作品集を上演した。前者は「Choreographic Project 2023」(3月18, 19日 東京バレエ団 Aスタジオ)、後者は「DANCE to the Future 2023」(3月24, 25昼夜, 26日 新国立劇場小劇場)である…

NBAバレエ団「バレエ・リュス・ガラ」2023

標記公演を見た(3月4日昼夕 新国立劇場中劇場)。NBAバレエ団ではバレエ史家の故薄井憲二氏監修のもと、バレエ・リュス・レパートリーを継続的に上演してきた。今回はその中から、フォーキン振付『レ・シルフィード』と『ポロヴェッツ人の踊り』(共に09年…

スターダンサーズ・バレエ団「MISSING LINK」2023

標記公演を見た(3月2日 東京芸術劇場 プレイハウス)。「MISSING LINK」は公演名で、第1部『01』、第2部『Degi Meta go-go』の2作品によって構成される。前者は新作、後者は 1997年『KATSUO NI SILAGA』として初演され、2002年にはドイツ公演も行なわれ…

2月に見た公演 2023

2月に見た公演について、メモしておきたい。 ● 全国共同制作オペラ『田舎騎士道』+『道化師』(2月3日 東京芸術劇場 コンサートホール) 演出は元宝塚歌劇団演出家の上田久美子(美術、大阪弁字幕も)、振付は『田舎騎士道』が前田清実、柳本雅寛、『道化…

日本バレエ協会『ドン・キホーテ』2023

標記公演を見た(2月4日 東京文化会館 大ホール)。都民芸術フェスティバル参加公演。新振付・演出はマシモ・アクリ、振付補佐には堀本美和、バレエ・ミストレスは楠元郁子、千歳美香子、バレエ・マスターに奥田慎也という布陣。主要キャストからアンサンブ…

1月に見た公演 2023

1月に見た公演について、メモしておきたい。 ● ケダゴロ『ビコーズカズコーズ』(1月12日 東京芸術劇場 シアターイースト) 振付・構成・演出は下島礼紗。殺人を犯し、時効成立の21日前に逮捕された福田和子をモチーフとした作品である。女囚とホステス・ア…

12月に見た公演 2022

2022年12月に見た公演について、メモしておきたい。 ● ブラレヤン・ダンスカンパニー『LUNA』(12月3日 KAAT 神奈川芸術劇場 ホール) YPAMディレクション。台湾先住民 パイワン族出身の振付家ブラレヤン・パガラファの振付で、台湾の様々な先住民族と漢民族…