笠井叡『櫻の樹の下には―カルミナ・ブラーナを踊る―』2022

標記公演を見た(11月23日 吉祥寺シアター)。昨年2月に続き、笠井叡が5人の男性ダンサーに振り付ける一晩物である。大植真太郎、島地保武、辻本知彦、森山未來、柳本雅寛(五十音順、辻本のシンニョウは一つ点)は、全員が振付家、踊り盛りで男盛り。荒武…

福田一雄卒寿記念特別公演「バレエの情景」2022

標記公演を見た(11月20日 東京文化会館 大ホール)。70年にわたり日本バレエ界を牽引してきた指揮者福田一雄の、卒寿を記念するガラ公演である。福田と縁の深い国内5つのバレエ団が集結した(出演順に、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団、東京バレ…

日本バレエ協会「バレエクレアシオン」2022

標記公演を見た(11月15日 新宿文化センター)。文化庁「次代の文化を創造する新進芸術家育成支援事業」の一環である。プログラムは、髙原伸子振付『沈黙の中庭』、池上直子振付『牡丹灯篭』、下村由理恵振付『氷の精霊』によるトリプル・ビル。全員女性だが…

新国立劇場バレエ団『ジゼル』新制作 2022 ②

標記公演を見た(10月21, 22日昼, 23, 28, 29日昼 新国立劇場 オペラパレス)。7日間9公演、主役キャストは5組。バレエ団の総力を挙げた新制作である(作品については ①)。 ジゼルは見た順に、小野絢子、柴山紗帆、米沢唯、木村優里、池田理沙子。それぞ…

新国立劇場バレエ団『ジゼル』新制作 2022 ①

標記公演を見た(10月21, 22日昼, 23, 28, 29日昼 新国立劇場 オペラパレス)。同団は劇場開場翌年の98年にセルゲーエフ版『ジゼル』を導入。以降4回の再演を重ねてきた。今回は24年振りの新制作である。演出:吉田都、改訂振付:アラスター・マリオット、…

佐東利穂子『告白の森』2022

標記公演を見た(10月22日 KARAS APPARATUS)。『泉』(19年)、『ノクターン』(21年)に続く自作自演作。1作目は自分の感覚を試すような手探りの感触があり、ある種の瑞々しさを湛えていた(コチラ)。2作目は勅使川原三郎の音楽構成だったため、勅使川…

バレエシャンブルウエスト『眠れる森の美女』2022

標記公演を見た(10月9日 J:COM ホール八王子)。本作はすでに「清里フィールドバレエ」で上演されているが、劇場公演は初となる。今村博明総監督によると「見られる野外と見せる劇場」の違いがあり、「照明、舞台装置、ダンサーの立ち位置、体の方向性、表…

スターダンサーズ・バレエ団『The Concert』他 2022

標記公演を見た(9月24日 東京芸術劇場 プレイハウス)。バランシン振付『スコッチ・シンフォニー』(NYCB52年 / SDB88年)、ロビンズ振付『牧神の午後』(NYCB53年 / SDB91年)、ロビンズ振付『コンサート』(NYCB56年 / SDB初演)による1950年代トリプル・…

牧阿佐美バレヱ団『飛鳥 ASUKA』2022

標記公演を見た(9月4日 東京文化会館 大ホール)。昨年10月28日に87歳で逝去した牧阿佐美の追悼公演。公演直後の9月6日には、バレヱ団と、牧が長年舞踊芸術監督を務めた新国立劇場の運営財団による「お別れの会」が、新国立劇場 中劇場で盛大に執り行われ…

小林紀子バレエ・シアター「アシュトン・マクミランプログラム」2022

標記公演を見た(9月3日 新国立劇場中劇場)。アシュトン振付『レ・パティヌール』(SWB37年 / 団98年)、マクミラン振付『ザ・フォーシーズンズ』(RB75年 / 団初演)による英国バレエダブル・ビル。それぞれマイヤベーアのオペラ『預言者』のバレエ曲(他…

『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』2022

標記公演を見た(9月1日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール)。主催・企画・制作:彩の国さいたま芸術劇場、テキスト・演出:岡田利規、共同振付:岡田+湯浅永麻+太田信吾、出演:湯浅+太田による。岡田は公演プログラムのコメントで次のように語っている。…

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2022

標記公演を見た(8月12、14日 新国立劇場 中劇場)。文化庁委託事業「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環である。今年は全国13支部のうち7支部が参加、東京地区、本部作品を含め、11作品が出品された。古典は4作、古典改訂は3作、創作は4作…

「NHK バレエの饗宴 2022」

標記公演を見た(8月13日 NHKホール)。昨年はコロナ禍ということもあり、国内4つのバレエ団が得意のレパートリーを持ち寄る形式だったが、今回は「饗宴」本来の姿に戻っている。コロナ禍は相変わらずで、出演者の変更を余儀なくされたものの、内外のダンサ…

7月に見た公演 2022

● 鈴木ユキオ『刻の花 トキノハナ』『moments』(7月1日 シアタートラム) 『刻の花』は昨年の「中央線芸術祭」で発表した作品を再創作したもの。写真家 八木咲の写真と、八木が舞台上で撮ったライブ写真と共に踊る鈴木のソロダンスである。『moments』は安…

NBAバレエ団『ラ・フィユ・マル・ガルデ』2022

標記公演を見た(7月9日昼夜 新国立劇場 中劇場)。併演はティペット振付『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番』。ニジンスカ版『ラ・フィユ・マル・ガルデ』は、2010年バレエ団に導入された。舞踊史家で顧問だった故薄井憲二氏の監修による。翌年再演、今回…

5, 6月に見たダンサー2022

● 水城卓哉 @ 貞松・浜田バレエ団「バレエ・リュスの世界」(5月22日 あましんアルカイックホール) プログラムは、フォーキン振付『レ・シルフィード』、ロビンズ振付『牧神の午後』、ゴレイゾフスキー原振付/貞松正一郎振付『ボロヴェッツ人の踊り』によ…

井上バレエ団「バレエの潮流Ⅱ~ロマンティックからコンテンポラリーまで」2022

標記公演を見た(6月19日昼夕 東京芸術劇場プレイハウス)。「バレエの潮流」の第2弾。前回は2017年「ブルノンヴィルからプティパまで」という副題で、『ラ・シルフィード』第2幕より、『ジェンツァーノの花祭り』よりパ・ド・ドゥ、『ラ・ヴェンタナ』よ…

5月に見た公演 2022

● 谷桃子バレエ団『眠れる森の美女』(5月4日昼夜 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール) 2016年バレエ団初演のエルダ-・アリエフ版。監修のイリーナ・コルパコワはアリエフと綿密に話し合い、「この作品と、古いロマンティック・バレエのスタイルや雰囲気の特…

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』2022

標記公演を見た(4月30日、5月1日、3日昼、5日 新国立劇場オペラパレス)。アシュトン版『シンデレラ』(48年/65年)は、1999年バレエ団に導入された。当時英国ロイヤル・バレエ プリンシパルの吉田都現芸術監督もゲスト出演し、アシュトン振付の魅力を伝え…

2、3月に見た振付家 2022

2、3月に見た振付家について、メモしておきたい。 ● 関口啓 @ 舞踊作家協会ティアラこうとう連続公演 No.220「Exploring Creation」(2月1日 ティアラこうとう 小ホール) 作品名は『Strategy』。出演はスターダンサーズ・バレエ団の小澤倖造、西澤優希に…

スターダンサーズ・バレエ団「Dance Speaks 2022」

標記公演を見た(3月26日 東京芸術劇場 プレイハウス)。演目は、バランシン振付『セレナーデ』(35年/83年)、カイェターノ・ソト振付『マラサングレ』(2013年/22年)、クルト・ヨース台本・振付『緑のテーブル』(32年/77年)。1930年代のモダンバレエ作…

東京シティ・バレエ団「トリプル・ビル 2022」

標記公演を見た(3月10日 東京文化会館 大ホール)。本来は1月、新国立劇場中劇場での公演だったが、関係者のコロナ陽性が確認されたため、場所を変えて3月の開催となった。プログラムは、山本康介振付『火の鳥』、ウヴェ・ショルツ振付『Octet』、パトリ…

長谷川六先生を偲ぶ2022

昨年3月30日に亡くなられた長谷川六先生を偲び、これまで書いたダンス評をまとめて掲載する。表題(緑太字)前の日付はブログ掲載日。 2012-01-15 長谷川六の踊り 実演者として、批評家として、プロデューサー(教育者)として、特異な歴史を刻んでいる長谷…

日本バレエ協会『ラ・エスメラルダ』2022【追記あり】

標記公演を見た(3月5日, 6日夜 東京文化会館 大ホール)。都民芸術フェスティバル参加公演である。ペロー原振付(1844年)、プティパ改訂振付(1866~99年)、ユーリ・ブルラーカ復元振付・演出の『ラ・エスメラルダ』は、2009年ボリショイ・バレエで初演さ…

2月に見た公演 2022 【訂正あり】

2月に見た公演について、メモしておきたい。 ● 関かおり PUNCTUMUN『こもこも けなもと』(2月6日 吉祥寺シアター) 振付・演出は関かおり。出演は、内海正孝、大迫健司、北村思綺、後藤ゆう(振付助手も)、佐々木実紀、清水俊、髙宮梢、真壁遥。以下は公…

1月に見た公演2022

1月に見た公演について、メモしておきたい。 ● 島地保武『藪の中』(1月13日 セルリアンタワー能楽堂) 本作は「伝統と創造シリーズ」として、2012年に同能楽堂で初演された。演出・振付の島地保武は、当時ザ・フォーサイス・カンパニーに所属しており、全…

12月に見た公演 2021

昨年12月に見た公演について、メモしておきたい。 ● 「DaBY パフォーミングアーツ・セレクション」(12月10日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ) Dance Base Yokohama で過去2年間創作された7作品を、5つのトリプル・ビルに組んだセレクション。その初回を…

山崎広太 @ Whenever Wherever Festival 2021

標記フェスを見た(12月23, 25, 26日 青山スパイラルホール)。今回の WWFesは、最初の二日間が「Mapping Aroundness ―〈らへん〉の地図」、残りの二日間が「Becoming an Invisible City Performance Project 青山編 ― 見えない都市」という表題。スパイラル…

酒井はな✕岡田利規『瀕死の白鳥 その死の真相』2021

標記作品を見た(12月10日 KAAT大スタジオ)。演出・振付は岡田利規、出演は酒井はな、編曲・チェロは四家卯大。愛知県芸術劇場 & Dance Base Yokohama 主催「TRIAD DANCE PROJECT ダンスの系譜学」の一角を形成する作品で、フォーキンの『瀕死の白鳥』に続…

2021年公演総括

2021年の洋舞公演を振り返る(含2020年12月)。 コロナ禍は依然として続いているが、昨年とは異なり、劇場が閉鎖されることはなかった。前半期は緊急事態宣言による公演中止や無観客公演、コロナ陽性者による公演中止等を経験。後半期は新規感染者数が減少し…