2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

井上バレエ団『コッペリア』2016

標記公演を見た(7月24日 文京シビックホール)。関直人版『コッペリア』の特徴は、優れた音楽性に裏打ちされた踊りの数々。民族舞踊から、クラシック・ヴァリエーションまで、関独自の音取り、音楽解釈が散りばめられている。終幕のギャロップでは、踊る者…

松崎すみ子@バレエ団ピッコロ55周年記念発表会2016

標記発表会を見た(7月16日 練馬文化センター)。ほぼ5時間に及ぶ記念発表会。定番のパ・ド・ドゥやヴァリエーションに加えて、松崎すみ子の振付作品が随時入り、最後に松崎えりの振付を一部加えた『カルミナ・ブラーナ』が上演された。今回は昨年亡くなら…

白河直子@笠井叡『今晩は荒れ模様』2015

標記公演評をアップする(2015年3月26日 世田谷パブリックシアター所見) 舞踏、オイリュトミーを基盤とする笠井叡が、女性ダンサー6人に新作を振り付けた。出演順に黒田育世、寺田みさこ、森下真樹、上村なおか、白河直子、山田せつ子。笠井はプログラム…

カンパニーデラシネラ『ロミオとジュリエット』2016

標記公演を見た(7月15日 東京芸術劇場シアターイースト)。この作品は、2011年9月28日に、世田谷ものづくり学校でも見ている。元教室が舞台。2、3mの至近距離から、子供椅子に座って見た記憶がある。今回は機構の整った劇場。照明・音響・衣裳、演出の細…

東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』2016

標記公演を見た(7月9、10日 ティアラこうとう大ホール)。2年ぶりの『白鳥の湖』。石井種生版の特徴は、ストイックなまでに抑制されたスタイルと、四幕の劇的パ・ド・ドゥにある。終幕は高速フラッシュと替え玉を利用して、オデットが人間の姿に戻る結末を…

クライム・リジョイス・カンパニー第1回公演2016

標記公演を見た(7月7日 メルパルクホール)。クライム・リジョイス・カンパニーとは、優れたダンサー・振付家である坂本登喜彦・高部尚子が、2015年に設立したカンパニーのこと(高部のたかは、本来ははしごだか)。一風変わった名前だが、公演プログラム掲…

小林紀子バレエ・シアター『ソリテイル』『二羽の鳩』2016

標記公演を見た(7月3日 新国立劇場中劇場)。二作とも、ステージングがジュリー・リンコンからアントニー・ダウスンに変わって初めての再演。『ソリテイル』(56年)は、一人ぼっちの少女が友達と遊ぶことを夢見て、想像の世界に浸るが、最後は再び一人ぼっ…

Noism『ラ・バヤデール』2016

標記公演を見た(7月1日 KAAT神奈川芸術劇場 ホール)。新潟3公演を経て、神奈川3公演、続いて兵庫2公演、愛知1公演、静岡2公演、鳥取1公演と、全国を回る。演出:金森穣、脚本:平田オリザ、振付:Noism1、音楽:ミンクス、笠松泰洋、空間:田根剛、…

英国ロイヤル・バレエ団『ロミオとジュリエット』『ジゼル』2016

標記公演を見た(3月29、31日 ロイヤル・オペラハウス / 6月18、22、24、26日 東京文化会館)。配役は日程順に、オシポワ(G)とゴールディング(A)、ヌニェス(G)とムンタギロフ(A)、オシポワ(J)とゴールディング(R)、ヌニェス(G)とムンタ…

山崎広太『Ne ANTA』+『感応する身体』+『暗黒計画1』2015-16

標記公演評をアップする。 ARICA+山崎広太『Ne ANTA』(2015年11月5日 シアタートラム) 演劇集団ARICAと舞踏の山崎広太が、ベケット原作『Ne ANTA』を再演した。初演は2013年森下スタジオ。演出の藤田康城は、ベケットのテレビ用脚本(66年BBC)を舞台化す…

新国立劇場バレエ団『アラジン』2016 (2)

標記公演を見た(1の続き)。配役で最も驚いたのは、井澤駿のジーン。元々ビントレーは本来のジーン像とは反対に、小柄で個性の強いダンサーをイメージして振り付けをした(早い回転技、細かいステップの連続)。初演の吉本泰久や再演の福田圭吾はこのタイ…

片桐はいり@『赤い靴』Dance New Air 2014

標記公演評をアップする。本日(2016.7.2)放映された、NHKEテレのスイッチインタビュー「片桐はいりVS甲野善紀」に感動したため。甲野は片桐を「五指に入るほど、誠実な人」と語った。 「ダンストリエンナーレトーキョー」を引き継いだ「Dance New Air」の…

新国立劇場バレエ団『アラジン』2016 (1)

牧阿佐美芸術監督時代、デヴィッド・ビントレー前監督が、同団に初めて振り付けた作品。2008年初演時には、カール・ディヴィスのカラフルな音楽(宝石組曲、5音音階の懐かしいメロディなど)と、それを完璧に視覚化し、精緻でウイットに富んだ演出を施した…