「アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2014」Aプロ

標記公演を見た(7月22日 ゆうぽうとホール)。Bプロは見ず。
前回はコボー主導でデンマーク色が強かったが、今回はいつものNBS公演だった。マクレーの超絶技巧、吉田都の自在、ムンタギロフの優美など、ちょこちょこ感想はある。が、何よりもコジョカルの特異さに改めて驚かされた。何を踊ってもコジョカル。そういうダンサーはこれまでもいた。いわゆるスター。しかし、コジョカルの場合は、不完全、未完成を物ともせず、踊りたいように踊る。踊ることへの衝迫が尋常ではない。以前、「私はリハーサルから100%で踊るので、相手が疲れてしまう」みたいなことをどこかのインタヴューで言っていた。あのポアント音の高さ。普通は音を立てないようにコントロールすると思う。何百回と注意されたことだろう。特にロイヤルでは事細かに言われたのではないか。
コボーがサポートした『白鳥の湖』の第二幕が、最もコジョカル的だった。古典の動きが、今生まれたように踊られる。その生成感の強さ。もちろん規範からは外れている。しかし、その規範も歴史的なもので、絶対的ではない。踊りへの衝迫なくして、何がバレエだろうか。日本では志賀育恵がそのように踊ってきた(ポアント音はしないが)。