アキコ・カンダダンスカンパニー「連星」2015

標記公演を見た(5月9日 東京劇術劇場シアターイースト)。アキコ・カンダというカリスマ・ダンサーの亡きあと、カンパニーはグレアム・メソッドを駆使する創作集団に戻った。特に市川紅美作品は、グレアムの語彙が明確で、エッジの効いた動きが特徴。音楽性にも優れる。アキコの情感や抒情性に傾いた作風は、グレアム影響下から脱して、独自の道を歩んできた結果だが、市川作品は、グレアムの普遍性に触れようとする。その語彙の神秘的な魔力。踊る女性たちが巫女に見える。原初的な祭儀性ではなく、深層心理のようなモダンな祭儀性だが。
ダンサーたちはベテランから中堅まで登場。市川作品はハードなので、踊り切れないベテラン勢もいるが、それでいいのだろう。つまり作品の完成度よりも、全員が踊ることに意味があるのだろう。