2015-01-01から1年間の記事一覧

笠井叡『今晩は荒れ模様』2015

標記公演評が『ダンスワーク』70号に掲載されました。特集は「深谷正子―深淵の身体思想」と「坂本公成―『HAIGAFURU/Ash is falling』」です。 *入手方法は、郵便振替入金、書店からのご注文、メールによるご注文のいずれかです。 ・郵便振替 00120-3-42513 …

NBAバレエ団「A Little Love」2015

標記公演評が『ダンスワーク』70号に掲載されました。 特集は「深谷正子―深淵の身体思想」と「坂本公成―『HAIGAFURU/Ash is falling』」です。 *入手方法は、郵便振替入金、書店からのご注文、メールによるご注文のいずれかです。 ・郵便振替 00120-3-42513…

NISSAY OPERA 2015 ロッシーニ『ランスへの旅』

標記公演を聴いた(7月3日 日生劇場)。ロッシーニが好きで、アルベルト・ゼッダ(先生)の軽やかで生命力あふれる指揮が好きだから。ロッシーニの、近代的自我や自己表現などを突き抜けた超絶技巧、人生の肯定感は、バレエのブルノンヴィル作品と共通する。…

テロ・サーリネン・カンパニー『MORPHED』2015

標記公演を見た(6月21日 彩の国さいたま芸術劇場)。昨年、埼玉舞踊協会の招きで、日本人ダンサーに新作を振り付けたテロ・サーリネンが、自らのカンパニーを率いて来日した。作品は同じく2014年初演。特権的なダンサーのソロに緻密な群舞、フォーメイショ…

新国立劇場バレエ団『こうもり』2015

標記公演評をアップする。 新国立劇場バレエ団がローラン・プティの傑作『こうもり』(79年、02年団初演)を上演した。今回で5度目。3人の芸術監督が導入・選択したことになる。ヨハン・シュトラウスの幸福な音楽(編曲 ダグラス・ガムレイ)を、隈無く振…

NBAバレエ団『HIBARI』2015

標記公演を見た(6月13日 メルパルクホール)。美空ひばりの生涯を、ダンス、歌、ナレーション、芝居、生前の映像で綴る。『悲しき口笛』、『リンゴ追分』から、『真赤な太陽』、『悲しい酒』、『愛燦燦』、『人生一路』など、最後に『川の流れのように』で…

カイヤ・サーリアホ『遥かなる愛』(演奏会形式)2015

標記公演を聴いた(5月28日 東京オペラシティコンサートホール)。東京オペラシティ同時代音楽企画「コンポージアム2015」の一環。なぜ聴こうと思ったかと言うと、女性作曲家であることが一つ。もう一つは、6月に同じフィンランドのテロ・サーリネンのダンス…

アキコ・カンダダンスカンパニー「連星」2015

標記公演を見た(5月9日 東京劇術劇場シアターイースト)。アキコ・カンダというカリスマ・ダンサーの亡きあと、カンパニーはグレアム・メソッドを駆使する創作集団に戻った。特に市川紅美作品は、グレアムの語彙が明確で、エッジの効いた動きが特徴。音楽性…

コデマリスタジオ第50回「コデマリコンサート」2015

標記公演評をアップする。 コデマリスタジオ恒例の「コデマリコンサート」が、第50回を迎えた。第一部は『くるみ割り人形』。スタジオ主宰の大竹みかが師と仰ぐ、貝谷八百子ゆかりの演目である。第二部は小品を集めたコンサート。最後はレハールの『メリー・…

第5回全日本健身気功・太極拳練功大会2015

標記大会に参加した(5月28日 国立競技場代々木第二体育館)。区立体育館で教わっている先生関連の大会。もちろん団体出演で、200名ぐらいが24式太極拳を行う、そのうちの一人。片脚立ちが上手くいかなかった。 出演した後は、観客席で様々な団体の演技を見…

国立劇場「能狂言の舞踊」2015

標記公演を見た(5月23日 国立劇場)。五耀會のメンバー、西川箕乃助、花柳寿楽、花柳基、藤間蘭黄、山村友五郎が出演、女優の鈴木保奈美がナビゲーターを務めた。鈴木はこの5年ほど、西川流を習っているとのこと。アフタートークの司会ぶりから、芸(術)…

佐藤俊介&萩原麻未@「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2015」

佐藤俊介(ヴァイオリン)と萩原麻未(ピアノ)を標記音楽祭で聴いた。共演した訳ではなく、別個の公演。前者はバッハの『ヴァイオリン協奏曲第2番』と『2つのヴァイオリンのための協奏曲』、後者はラヴェルの『高貴で感傷的なワルツ』『ラ・ヴァルス』と…

アーキタンツ・スタジオパフォーマンスvol.9 『最後の聲』2015

標記公演評をアップする。 バレエ、コンテンポラリー・ダンス、能のクラスやワークショップを運営するスタジオアーキタンツが、縁の深い香港在住振付家ユーリ・ンの新作を上演した。同スタジオは、ンのバニョレ国際振付賞受賞作『Boy Story』の美術に携わっ…

谷桃子バレエ団『海賊』2015

谷桃子氏の訃報を聞いた。谷さんの姿を最後にお見かけしたのは、昨年の9月4日。最愛のパートナーだった小林恭氏の葬儀の席だった。全身を振り絞るようにして弔辞を述べられた。美しく気品に満ちた外見からは想像もできないほどの激しい情熱の持ち主だった…

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』2015

標記公演評をアップする。 牧阿佐美バレヱ団が、都民芸術フェスティバル参加作品として、ウエストモーランド版『眠れる森の美女』を上演した。82年バレエ団初演の重要なレパートリーである。 同版は英国系の流れを汲み、マイムを保存。昨年、新国立劇場バレ…

東京シティ・バレエ団「TOKYO CITY BALLET LIVE 2015」

標記公演評をアップする。 東京シティ・バレエ団恒例の「TOKYO CITY BALLET LIVE」が、大ホールに場所を移して開催された。上演順に、石井清子、小林洋壱、中島伸欣の座付き振付家作品、さらにゲスト振付家としてレオ・ムジックを招いての創作集である。座付…

杉昌郎・関直人『ゆきひめ』@井上バレエ団「アネックスシアター」2015

杉昌郎・関直人振付の『ゆきひめ』を見た(4月4、5日 世田谷パブリックシアター)。小泉八雲の『雪女』を基に、ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の1幕前奏曲と「愛の死」を用いた1幕物。井上バレエ団創立者の井上博文が72年、杉昌郎に日舞版のバレエ…

Noism『ASU』2015

標記公演評が、『ダンスワーク』69号に掲載されました。 入手方法は、郵便振替入金、書店からのご注文、メールによるご注文のいずれかです。 (中野ブロードウェイの「タコシェ」tel: 03-5343-3010 でも入手可能) 郵便振替 00120-3-42513 ダンスワーク舎 定…

日本バレエ協会『コッペリア』2015

標記公演評をアップする。 日本バレエ協会が都民芸術フェスティバル参加公演として、ヴィハレフ復元のプティパ版『コッペリア』を上演した。ドリーブの幸福感あふれる音楽、華やかな民族舞踊、ホフマン原作の闇に無邪気な恋物語を絡めた喜劇作品である。 サ…

スターダンサーズ・バレエ団『ジゼル』2015

標記公演評をアップする。 スターダンサーズ・バレエ団が創立50周年を記念して、ピーター・ライト版『ジゼル』を上演した。共催は文京シビックホール(公益財団法人文京アカデミー)。ライト版の特徴は、動きの全てに意味付けがあり、細やかなドラマの流れが…

新国立劇場バレエ団「トリプル・ビル」2015

標記公演を見た(3月14、15日 新国立劇場中劇場)。19日に三日目を見るが、初日、二日目の感想を一先ず。 演目上演順はバランシンの『テーマとヴァリエーション』、ドゥアトの『ドゥエンデ』、ロバート・ノースの『トロイ・ゲーム』。初め時間割を見たとき、…

新国立劇場オペラ『マノン・レスコー』2015/バレエ公演のオケについて

標記公演を見た(3月9日 新国立劇場オペラパレス)。プッチーニのオペラ。2011年3月に予定されていたが、東日本大震災が直前に起こり、上演中止になった。指揮者を除いてほぼ同じ座組みを目指したので、4年後になったらしい。バレエの「ダイナミック・ダンス…

「青山バレエフェスティバル〜LAST SHOW〜」2015

標記公演評をアップする。 国立児童館「こどもの城」が2月1日、老朽化を理由に閉館した。それに伴い、併設の青山劇場と青山円形劇場も閉館を余儀なくされた。長年、バレエやコンテンポラリー・ダンスの足場となってきた劇場である。特に円形劇場は、その独…

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』2015

標記公演を見た(2月17、21、22日 新国立劇場オペラパレス)。牧阿佐美版『ラ・バヤデール』の特徴は、ニキヤとソロルが冥界で結ばれない点と、太鼓の踊りがない点。後は概ね伝統的な演出を踏襲している。特に優れているのが、アリステア・リヴィングストン…

柳本雅寛@「佐藤俊介の現在」

標記公演を見て、聴いた(2月14日 彩の国さいたま劇術劇場音楽ホール)。バロック、モダン両方のヴァイオリニスト佐藤俊介のソロに、ダンサー柳本雅寛が絡み、田村吾郎が演出するコンサート。演目はビーバーのパッサカリアに始まり、バルツァー、プロコフィ…

東京バレエ団『眠れる森の美女』2015

標記公演を見た(2月8日 東京文化会館)。2006年にベルリン国立バレエ団で初演されたマラーホフ版の導入。プロローグと第1幕、第2幕と第3幕をそれぞれ続けて上演し、休憩を挟んで2時間半の短縮版である。プロローグと第1幕の間に幕前で、カラボスとリラ…

新国立劇場バレエ団「Dance to the Future 〜Third Steps 〜」2015

標記公演評をアップする。 新国立劇場バレエ団が3回目の団員創作公演を行なった。「Dance to the Future 〜Third Steps 〜」である。ビントレー前芸術監督の企画を、平山素子をアドヴァイザーに迎えて継続させた。前回までは作品選択、指導、プログラム構成…

神奈川ブロック『シンデレラ』2015

標記公演評をアップする。 日本バレエ協会関東支部神奈川ブロックが設立35周年を記念して、『シンデレラ』を上演した。音楽はプロコフィエフ、演出・振付は夏山周久による。夏山版は、土台のザハーロフ版に、難度の高いソロとコミカルな味わいを加えたもの。…

新国立劇場バレエ団『シンデレラ』2014

標記公演評をアップする。 新国立劇場バレエ団が一年置き恒例の年末風物詩、アシュトン版『シンデレラ』(48年)を上演した。アシュトンのプティパ・オマージュ、古典作品の再解釈であり、物語性と儀式性が絶妙に絡み合う傑作である。前回は監修者ウェンディ…

Kバレエカンパニー『カルメン』2014

標記公演評をアップする。 Kバレエカンパニーが創立15周年記念公演第3弾として、ビゼー音楽の『カルメン』全二幕を新制作した。演出・振付は芸術監督の熊川哲也、舞台美術はオペラで活躍するダニエル・オストリング、衣裳は同じくマーラ・ブルーメンフェル…