6月に見た英国バレエ2021

2つのバレエ団による英国バレエの競演。スターダンサーズ・バレエ団のピーター・ライト版『コッペリア』(95年 BRB)と、牧阿佐美バレヱ団のフレデリック・アシュトン版『リーズの結婚(ラ・フィユ・マル・ガルデ)』(60年 RB)である。『コッペリア』は昨…

新国立劇場バレエ団『ライモンダ』2021【追記】

標記公演を見た(6月5, 6, 11, 12日 新国立劇場オペラパレス)。2004年バレエ団初演、12年ぶり4回目の上演である。改訂振付・演出は元芸術監督の牧阿佐美、舞台装置・衣裳はルイザ・スピナテッリ、照明は沢田祐二による。牧版の特徴はマイムを舞踊に変換し…

KAAT『未練の幽霊と怪物』2021

標記公演を見た(6月9日 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ)。作・演出:岡田利規、音楽監督:内橋和久、出演:森山未來(シテ)、片桐はいり(アイ)、栗原類(ワキ)、石橋静河(シテ)、太田信吾(ワキ)、七尾旅人(歌手)、演奏:内橋和久、筒井響子、吉…

5月に見た『ドン・キホーテ』 2021

● Kバレエカンパニー『ドン・キホーテ』(5月19日 Bunkamura オーチャードホール) 演出・再振付・舞台美術・衣裳デザインは芸術監督の熊川哲也。2004年の初演以来、再演を重ねる重要なレパートリーである。熊川版は、熊川自身が踊ったバリシニコフ版を基盤…

バレエシャンブルウエスト『ジゼル』+『In The Light』2021

標記公演を見た(5月22日夜 J:COM ホール 八王子)。主演目『ジゼル』に先立って、平田友子振付の新作『In The Light』が上演された。古典と創作を等しく重んじる 同団らしいプログラムと言える。副題は「見えないけれど此処にある光」。シューマンのピアノ…

アキコ・カンダダンスカンパニー『花を咲かせるために~バルバラを踊る』他2021

標記公演を見た(5月15日 東京芸術劇場 シアターウエスト)。アキコ・カンダ没後10年メモリアル公演である。カンパニーは師亡き後も、レパートリーを護り、新人を育成してきた。昨年はコロナ禍のため公演中止に。今年は密を避けるということもあり、6人の精…

新国立劇場バレエ団『コッペリア』2021

標記公演を無観客ライブ配信で見た(5月2, 4, 5, 8日 新国立劇場オペラパレスより中継)。政府の緊急事態宣言を受けて、新国立劇場も4月25日から5月11日までの全公演が中止となった。有料配信を希望する観客の声もあったが、準備期間が短いため無料配信に…

4月に見た公演・イベント 2021

● 代地 第七十一回「紫紅会」(4月17日午後 国立劇場 大劇場) 現当主である藤間蘭黄の祖母 藤間藤子の二十三回忌、母 蘭景の七回忌追善公演。詞章を不勉強のため、ダンスを見るように見て、浄瑠璃、唄も、音楽を聴くように聴いた。演目は、長唄「八島官女」…

3月に見た公演 2021

● Kバレエカンパニー『白鳥の湖』(3月25日 オーチャードホール) 5日間7公演4キャストのうち、新加入した日髙世菜の日を選んだ。カンパニーは『マダム・バタフライ』終了以降、舞台の方向性が定まらなかったが、今回ようやく芸術監督 熊川哲也の息吹が…

第 186 回吹田市民劇場『白鳥の湖』2021

標記公演を見た(3月21日 吹田市文化会館メイシアター 大ホール)。吹田市制施行 80 周年、メイシアター開館 35 周年を記念する節目の公演である。監修に前新国立劇場舞踊芸術監督の大原永子を迎え、芸術監督・演出・改訂振付を、新国立劇場バレエ団オノラブ…

牧阿佐美バレヱ団「プリンシパル・ガラ」2021

標記公演を見た(3月14日 文京シビックホール 大ホール)。演目は、『パキータ』第3幕より(振付:マリウス・プティパ)、『フォー・ボーイズ・ヴァリエーション』(振付:牧阿佐美)、『ル・コンバ』(振付:ウィリアム・ダラー)、『ライモンダ』第3幕(…

日本バレエ協会『眠れる森の美女』2021

標記公演を見た(3月6日 東京文化会館 大ホール)。今年の都民芸術フェスティバル参加公演は、『眠れる森の美女』を コンテンポラリーダンスとクラシックバレエで踊るダブルビル。コロナ禍の制約「密にならない」を逆手にとった 斬新な企画である。コンテン…

米沢唯 ✕ 島地保武 @「音楽×空間×ダンス」GP 2021

標記公演ゲネプロを見た(2月27日 音のふりそそぐ武蔵ホール)。会場は、西武池袋線武蔵藤沢駅にある八角形の音楽ホール。ゲネのため2階から見た(聴いた)が、井戸をのぞき込むような態勢で、音がふりそそぐ、というよりも、地面から湧き上がる印象だった…

Noism0/Noism1『Duplex』2021

標記公演を見た (2月26日 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール)。ゲスト振付家 森優貴の『Das Zimmer』、Noism Company Niigata 芸術監督 金森穣の『残影の庭~Traces Garden』によるダブルビルである。 森は昨シーズン『Farben』を振り付けて、Noism ダンサ…

新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』2021

標記公演を見た(2月20日, 21日昼夜 新国立劇場オペラパレス)。イーグリング版『眠れる森の美女』は2014年初演。その後 17, 18年と再演され、本公演としては今回が4回目の上演となる。セルゲイエフ舞踊譜に端を発する英国版の流れをくみ、洗礼式の儀式性の…

NBAバレエ団新制作『シンデレラ』2021

標記公演を見た(2月7日 東京文化会館 大ホール)。同団は新制作の『シンデレラ』振付・演出にヨハン・コボーを招聘。コロナ禍のなか、様々な困難を乗り越えて、世界初演に漕ぎ着けた。コボーは、デンマーク・ロイヤル・バレエ、英国ロイヤル・バレエでプリ…

西村未奈・山崎広太 @ DaBY トライアウト[ダブルビル]2021

標記公演を見た(2月9日 Dance Base Yokohama)。ダブルビル1作目は、鈴木竜(DaBY アソシエイトコレオグラファー)を中心としたコレクティブダンスプロジェクト『never thought it would』、2作目が西村未奈・山崎広太の『幽霊、他の、あるいは、あなた』…

笠井叡『櫻の樹の下には ― 笠井叡を踊る ―』2021

標記プレビュー公演を見た(2月3日 吉祥寺シアター)。笠井叡は2015年春、女性ダンサー6人(黒田育世、寺田みさこ、森下真樹、上村なおか、白河直子、山田せつ子)を集めて、『今晩は荒れ模様』を創った。この時は、笠井のテリトリーである舞踏、オイリュト…

1月に見た振付家・ダンサー2021

● 島地保武 @ 日本バレエ協会「全日本バレエ・コンクール ガラ・コンサート」(1月23日 新宿文化センター) コロナ禍で開催されなかった「全日本バレエ・コンクール」に代わり(訂正 夏の予定が、延期された)同コンクールより輩出されたダンサーたちのガラ…

東京シティ・バレエ団「ウヴェ・ショルツ・セレクションⅡ」2021

標記公演を見た(1月24日 ティアラこうとう大ホール)。演目は、日本初演の『Air !』(82年 シュツットガルト・バレエ団)、団初演の『天地創造』よりパ・ド・ドゥ(85年 チューリッヒ・バレエ団)、再演の『オクテット』(87年 チューリッヒ・バレエ団)の…

谷桃子バレエ団『海賊』2021

標記公演を見た(1月16日 東京文化会館大ホール)。監修はイリーナ・コルパコワ、台本・演出・振付はエルダー・アリーエフ、2015年団初演の全2幕版である。昨年の「NHKバレエの饗宴」、同じく日生劇場バレエ公演で上演予定だったが、コロナ禍で中止に。改め…

新国立劇場バレエ団「ニューイヤー・バレエ」配信2021

標記公演の配信を見た(1月11日 新国立劇場オペラパレス―無観客)。当初演目は、『パキータ』、バランシン作『デュオ・コンチェルタント』、ビントレー作『ペンギン・カフェ』のトリプル・ビル。コロナ禍で指導者の来日が困難となり、バランシン作品を、国内…

大和シティー・バレエ『美女と野獣』2020

標記公演を見た(12月27日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール メインホール)。演出・振付は宝満直也、美術は長谷川匠、衣裳デザインはプロデューサーの佐々木三夏、音楽はショスタコーヴィチ曲による全2幕の物語バレエである。ヴィルヌーヴ夫人の…

2020年公演総括【追記】

2020年の洋舞公演を振り返る(含2019年12月)。 コロナ禍のため、今年は昨年12月から3月までと、7月から11月までの実質9ヵ月の総括になる。自粛期間中は映像配信が充実し、世界のダンス事情を知ることができたが、パフォーミング・アーツの本質、「演者と…

新国立劇場ダンス『Shakespeare The Sonnets』2020

標記公演を見た(11月28, 29日 新国立劇場中劇場)。構成・演出・美術原案・振付は中村恩恵、音楽はディルク・P・ハウブリッヒ。シェイクスピアの『ソネット』に登場する詩人(私)、青年、ダークレディを軸に、『R&J』、『オセロ』、『夏の夜の夢』、『…

10月、11月に見た振付家・ダンサー2020

● 松崎えり @ 松本大樹監修ダンスブリッジ「ダンスは時代とともに」(10月24日 セッションハウス+配信) 標題は『その空のあおさに友は目を潤す』。同時上演は柿崎麻莉子作・出演、中村蓉演出『drug』。観客の作品理解を深めるため、公演配信前に、平田友…

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』2020

標記公演を見た(10月23日、24日昼、25日、31日昼夜、11月1日 新国立劇場オペラパレス)。今季より就任した吉田都芸術監督初のシーズン開幕公演である。当初はピーター・ライト版『白鳥の湖』を予定していたが、コロナ禍により、前季ラインナップの『ドン・…

バレエシャンブルウエスト『コッペリア』2020

標記公演を見た(10月10日 オリンパスホール八王子)。本来は6月7日に公演予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため延期となり、仕切り直しての上演である。観客の体温検査、手の消毒、来場者カード、市松模様の座席配置など、念入りなコロナ対策…

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』2020

標記公演を見た(10月3日 文京シビックホール 大ホール)。同団では1982年にウェストモーランド版を導入。以来、再演を重ねる重要なレパートリーの一つとなった(今回は12回目)。振付のテリー・ウェストモーランドは、1958年に英国ロイヤル・バレエに入団し…

島地保武 @ Open Lab「ダンサー言葉で踊る」vol.3 2020

標記イベントを見た(9月12日 Dance Base Yokohama)。表題は「W. フォーサイスと出会う~Before & After~」。 当日、DaBY 最寄り駅「馬車道」の改札を出ると、巨大な構造物が地下広場に。Bank ART Studio NYK の内外を簀子(?)で覆った、あの川俣正の作…