ダンス

新国立劇場ダンス『Shakespeare The Sonnets』2020

標記公演を見た(11月28, 29日 新国立劇場中劇場)。構成・演出・美術原案・振付は中村恩恵、音楽はディルク・P・ハウブリッヒ。シェイクスピアの『ソネット』に登場する詩人(私)、青年、ダークレディを軸に、『R&J』、『オセロ』、『夏の夜の夢』、『…

10月、11月に見た振付家・ダンサー2020

● 松崎えり @ 松本大樹監修ダンスブリッジ「ダンスは時代とともに」(10月24日 セッションハウス+配信) 標題は『その空のあおさに友は目を潤す』。同時上演は柿崎麻莉子作・出演、中村蓉演出『drug』。観客の作品理解を深めるため、公演配信前に、平田友…

島地保武 @ Open Lab「ダンサー言葉で踊る」vol.3 2020

標記イベントを見た(9月12日 Dance Base Yokohama)。表題は「W. フォーサイスと出会う~Before & After~」。 当日、DaBY 最寄り駅「馬車道」の改札を出ると、巨大な構造物が地下広場に。Bank ART Studio NYK の内外を簀子(?)で覆った、あの川俣正の作…

山崎広太+久保田舞 @「ダンステレポーテーション」展 インスタレーションパフォーマンス 2020

標記パフォーマンスを見た(8月 28日 KITANAKA BRICK&WHITE BRICK South 1F)。山崎広太の新プロジェクト「ダンステレポーテーション」展(コチラ)から派生した企画で、同展に参加したダンサーのうち4名が出演した。小暮香帆、久保田舞、栗朱音、望月寛斗…

大和シティーバレエ「Summer Concert 2020」

標記公演を見た(8月14日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール)。コンサートの表題は「想像×創造」。佐々木三夏プロデューサー指揮の下、今回もコンテンポラリーからバレエまで、意欲的な創作が並んだ。会場入口には消毒液が置かれ、スタッフはマス…

山崎広太@「ダンステレポーテーション」展 2020

標記展オープニングトーク&パフォーマンスを見た(8月6日 Dance Base Yokohama)。本展は、山崎広太と11人のダンサーによる 言葉と映像を媒体にしたダンス展である(8月7日~9月13日)。5月に Dance Base Yokohama(DaBY)のオープニングイベントとして企…

盆踊りのこと2020

前回触れた盆踊りのことを書いておきたい。が、その前に、SWITCHインタビュー達人達「神田松之丞 × いとうせいこう2017」(NHK Eテレ 5/30)について少し。松之丞(現伯山)がなぜ講談師になったか、その経緯を語る。「小4の時、父が自死。遺書のふるえる字…

2月27日以後 2020

2月26日の夕方、新国立劇場バレエ団の『マノン』(小野絢子・福岡雄大主演)に向かう途中、同劇場からのメールを読んだ。 新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る文部科学大臣からの要請を受けて、新国立劇場では、感染症拡大のリスクを低減する観点から…

2月に見た振付家 2020

★スー・ヒーリー@『ON VIEW : Panorama』(2月2日 横浜赤レンガ倉庫1号館 3F ホール) 「横浜ダンスコレクション2020」開幕公演で世界初演。振付・演出・映像はヒーリー、出演は、日本の浅井信好、湯浅永麻、香港のジョゼフ・リー、ムイ・チャック–イン、…

1月に見た振付家2020

★山田うん『NIPPON CHA! CHA! CHA!』(1月10日 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ) 如月小春の同名戯曲(88年)を、演劇とダンスの両方で演じる特異な二本立て。構成・振付・演出 山田うん、音楽 ヲノサトル、空間構成 光嶋裕介。1時間づつ上演するのかと思…

『くるみ割り人形』+『かもめ食堂』2019

★Kバレエカンパニー(11月28日 オーチャードホール) 熊川哲也版。ホフマン原作の複雑な時空を反映。ヨランダ・ソナベントの華麗な美術がマジカルな空間を作る。マリー姫の浅野真由香は明るく爽やか、王子の遅沢佑介はノーブル、クララの河合有里子は可愛ら…

2019年公演総括【追加あり】

2019年の洋舞公演を振り返り、印象に残った振付家・ダンサーを列挙する(含2018年12月)。 【バレエ振付家】 大ベテランの関直人、大竹みかが逝去。大竹は没前年まで新作を振り付けていた。同じく大ベテランの松崎すみ子は、『メアリー・ポピンズ』改題の『…

11月に見た振付家・公演2019

★皆藤千賀子 @「ダンスブリッジ 2019 インターナショナル劇場」(11月3日 セッションハウス) 『Age of curse』。1時間物を短縮したとのことで、やや断片的な印象も受けたが、その断片の強度、コンセプトの強さに驚かされた(皆藤はデュッセルドルフを拠点…

10月に見た公演2019

★NBAバレエ団『海賊』(10月20日 東京文化会館 大ホール) 久保綋一演出・振付、宝満直也振付。バイロン原作に寄り添い、新垣隆のオリジナル曲を大幅に採用した独自の改訂版である。コンラッドとメドーラの夫婦愛、ギュリナーレの悲恋、『ライモンダ』を思わ…

ミハイロフスキー劇場バレエ『パリの炎』『眠りの森の美女』2019

標記公演を見た(11月21日昼, 24日朝 東京文化会館大ホール)。4年ぶりの来日公演。毎年夏冬に公演していたレニングラード国立バレエ団時代との、あまりの違いに驚かされた。以前は、古典やボヤルチコフ作品を誠実に踊り、観客との間に近しい関係を築く一ロ…

日本バレエ協会「Ballet クレアシオン」2019

標記公演を見た(11月9日 メルパルクホール)。文化庁「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環である。協会の振付家育成・創作推進事業としては、先行の「バレエ・フェスティバル」が49回、文化庁共催となった「Ballet クレアシオン」が今回で9回…

9月に見た公演など2019

9月はまだ終わっていない。Kバレエカンパニーの新制作も控えているが、記憶の新しいうちにメモしてみたい。 ★「塩田千春展 魂がふるえる」(9月3日 森美術館)✖「没後90年記念 岸田劉生展」(9月3日 東京ステーションギャラリー)✖「東京計画2019 vol.2 風…

8月に見た振付家2019

★伊藤範子 @ 「谷桃子バレエ団附属アカデミー 第59回生徒発表会」(8月7日 大田区民ホール・アプリコ大ホール) 高等科9人の女性に振り付けた『Gosh! win for the future』。ガーシュインの気怠さ、アメリカ的なテンポの良さが、振付に反映されている。音…

日本バレエ協会「全国合同バレエの夕べ」2019

標記公演を見た(8月10, 12日 新国立劇場 オペラパレス)。文化庁及び、公益社団法人日本バレエ協会が主催する「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環。各地で活躍する振付家・ダンサーが一堂に会し、互いの研鑽を確認し合う、言わば「バレエのふ…

7月に見た振付家・ダンサー 2019

★マルコ・ゲッケ @ ネザーランド・ダンス・シアター『Woke up Blind』(7月6日 神奈川県民ホール 大ホール) 来日プログラム4作の中で圧倒的に面白かった。レオン=ライトフット作品は当然だが、カンパニーのためのコンテンツという意識が強く、パイト作品…

6月に見たダンサー・振付家 2019

★佐辺良和 @ 青山実験工房「能と琉球舞踊」(6月24日 銕仙会能楽研修所) 標記公演は、能と琉球舞踊を並列させ、組踊における能の影響を見ようというもの。組踊の始祖 玉城朝薫は、大和芸能に造詣が深く、1706年薩摩で仕舞『軒端の梅(東北)』を舞った(プ…

5月に見たダンサー・公演 2019

★森下洋子 @ 清水哲太郎振付『眠れる森の美女』(5月3日 オーチャードホール)。 清水版『眠れる森の美女』は、清水独自のモダンな振付に混じって、ヌレエフの構成・振付が遺跡のように残り、バレエ団の歴史の一端を垣間見せる。森下(48年生まれ)のオーロ…

蘆原英了『舞踊と身体』✖ 井口淳子『亡命者たちの上海楽壇』2019

前者は音楽・舞踊評論家の蘆原英了が、1920年代から70年代にかけて書いた舞踊エッセイを集めたもの(1986年 新宿書房)。クルト・ヨースの『緑のテーブル』予習のため、手に取った。ヨースの箇所は朧気、覚えているのはパブロワの遺骨をめぐる旅と、ゴンチャ…

佐東利穂子『泉』 2019

標記公演を見た(4月13日 KARAS APPARATUS)。佐東初めての振付作品。計8回のアップデイトダンスのうち、2回目の公演である。カミテ奥には、滝のような、泉が盛り上がったようなインスタレーション。薄暗い照明のなか、佐東がゆっくりと動き始める。 現代…

新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2019」①

標記公演を見た(3月29, 30夜, 31日 新国立劇場 小劇場)。前芸術監督 D・ビントレーが2012年に始めた振付家育成企画。団員の振付を団員が踊ることで、両者にクリエイティブな相互関係が生まれる。前監督時代は、振付家の卵たちが思うがままに作品を発表する…

新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2019」②

2部はベテラン2人の新旧作。貝川鐡夫の新作『Danae』(音楽:J・S・バッハ)は、ギリシャ神話からインスピレーションを得たパ・ド・ドゥ。ゼウスが見守るダナエのソロ、ゼウスの欲情するソロ、ゼウスとダナエのエロティックなアダージョ、最後はゼウスが金…

3月に見た振付家・ダンサー2019

★熊川哲也 @ Kバレエカンパニー『カルメン』(3月8日 オーチャードホール) 2014年初演、3度目の上演。初演時のやや生硬な印象とは異なる、豊かでふくよかな演出だった。登場人物にふさわしい振付が、細やかに上書きされ、それぞれの人物が自立して見える。…

2月に見た公演2019

2月に見た公演について、短くメモする。 ★エラ・ホチルド『Futuristic Space』@ 横浜ダンスコレクション(2月3日 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール) L字型の客席に囲まれた長方形の舞台。上方には、光る透き通ったベールが広がっている。ベールが上下に…

山崎広太@ダンスカフェサロン2019【追記】

山崎広太が、《ダンスカフェサロン in あうるすぽっと2018 》シンポジウム「コンテンポラリーダンスの可能性」に、講師及びパネリストとして参加した(1月6日 あうるすぽっと会議室)。 同サロンは、あうるすぽっと、豊島区、ダンスカフェの主催。今年度の最…

「舞台の謎(倉庫)」掲載

「舞台の謎(倉庫)」https://takuma25.hateblo.jp/に過去記事を掲載しました。 当初はブログ移行が進まず、担保として掲載を始めましたが、年別・時系列に編集していくうちに面白くなり、時系列掲載ではない2016年まで(紙媒体の公演評を後からアップしてい…