バレエ

「NHK バレエの饗宴 2021 in 横浜」

標記公演を見た(10月3日 神奈川県民ホール)。海外で活躍する邦人ダンサーをゲストに、国内のバレエ団、ダンスカンパニー、ダンスユニットが一堂に会する、祝祭的なバレエ公演である。後日 NHK 地上波で放送されるため、その年のバレエシーンを記録する貴重…

9月に見たバレエ公演2021

● 小林紀子バレエ・シアター「バレエ・ダブルビル 2021」(9月26日 新国立劇場 中劇場) 長年英国バレエをレパートリーとしてきたカンパニーが、2作の英国作品を上演した。フレデリック・アシュトンの『バレエの情景』とアルフレッド・ロドリゲスの『シンデ…

9月に見た振付家・ダンサー2021

● 橋本ロマンス @「SICF20 Winners Performance」(9月11日 スパイラルホール) 2019年開催「スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル20」のパフォーマンス部門でグランプリを受賞した、橋本ロマンスの新作『パン(仮)』。何の先…

谷桃子バレエ団「Alive」2021

標記公演を見た(8月29日 新国立劇場 中劇場)。バレエ団伝統の創作集である。演目は『Lightwarrior』(振付:日原永美子)、『Twilight Forest』(振付:岩上純)、『frustration』(振付:市橋万樹、石井潤太郎)、『OTHELLO』(振付:日原永美子、台本・…

8月に見た振付家 2021

● 福田紘也『Life - Line』@ 大和シティ・バレエ「想像✕創造 vol.2」(8月14日 大和市文化創造拠点シリウス芸術文化ホール メインホール) 公演の副題は「追う者と追われる者 」。5人の振付家が新旧作を出品し、最後に福田作品が上演された。アンドロイド…

「全国合同バレエの夕べ」2021

標記公演を見た(8月6, 8日 新国立劇場 オペラパレス)。「文化庁 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環である。昨年はコロナ禍で中止せざるを得なかったが、今年は現状変わらないまま、市松配席、マスク着用、時差退席等、感染予防対策を講じた…

関直人氏を偲ぶ 2021

井上バレエ団7月公演『コッペリア』を見た(7月31日 新宿文化センター 大ホール)。振付は関直人、再構成・振付を石井竜一が担当、森の詩人 P・ファーマーのけぶるような美術が幻想性を加える。「祈り」とフランツのソロを除いて関の振付が保存されているが…

東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』2021

標記公演を見た(7月18日 ティアラこうとう 大ホール)。バレエ団の主要なレパートリーである石田種生版『白鳥の湖』は、セルゲーエフ版、ブルメイステル版を参考にしつつ、4幕の石庭にヒントを得た独自のフォーメーションで、日本的美意識を主張する。また…

6月に見た英国バレエ2021

2つのバレエ団による英国バレエの競演。スターダンサーズ・バレエ団のピーター・ライト版『コッペリア』(95年 BRB)と、牧阿佐美バレヱ団のフレデリック・アシュトン版『リーズの結婚(ラ・フィユ・マル・ガルデ)』(60年 RB)である。『コッペリア』は昨…

新国立劇場バレエ団『ライモンダ』2021【追記】

標記公演を見た(6月5, 6, 11, 12日 新国立劇場オペラパレス)。2004年バレエ団初演、12年ぶり4回目の上演である。改訂振付・演出は元芸術監督の牧阿佐美、舞台装置・衣裳はルイザ・スピナテッリ、照明は沢田祐二による。牧版の特徴はマイムを舞踊に変換し…

5月に見た『ドン・キホーテ』 2021

● Kバレエカンパニー『ドン・キホーテ』(5月19日 Bunkamura オーチャードホール) 演出・再振付・舞台美術・衣裳デザインは芸術監督の熊川哲也。2004年の初演以来、再演を重ねる重要なレパートリーである。熊川版は、熊川自身が踊ったバリシニコフ版を基盤…

バレエシャンブルウエスト『ジゼル』+『In The Light』2021

標記公演を見た(5月22日夜 J:COM ホール 八王子)。主演目『ジゼル』に先立って、平田友子振付の新作『In The Light』が上演された。古典と創作を等しく重んじる 同団らしいプログラムと言える。副題は「見えないけれど此処にある光」。シューマンのピアノ…

新国立劇場バレエ団『コッペリア』2021

標記公演を無観客ライブ配信で見た(5月2, 4, 5, 8日 新国立劇場オペラパレスより中継)。政府の緊急事態宣言を受けて、新国立劇場も4月25日から5月11日までの全公演が中止となった。有料配信を希望する観客の声もあったが、準備期間が短いため無料配信に…

3月に見た公演 2021

● Kバレエカンパニー『白鳥の湖』(3月25日 オーチャードホール) 5日間7公演4キャストのうち、新加入した日髙世菜の日を選んだ。カンパニーは『マダム・バタフライ』終了以降、舞台の方向性が定まらなかったが、今回ようやく芸術監督 熊川哲也の息吹が…

第 186 回吹田市民劇場『白鳥の湖』2021

標記公演を見た(3月21日 吹田市文化会館メイシアター 大ホール)。吹田市制施行 80 周年、メイシアター開館 35 周年を記念する節目の公演である。監修に前新国立劇場舞踊芸術監督の大原永子を迎え、芸術監督・演出・改訂振付を、新国立劇場バレエ団オノラブ…

牧阿佐美バレヱ団「プリンシパル・ガラ」2021

標記公演を見た(3月14日 文京シビックホール 大ホール)。演目は、『パキータ』第3幕より(振付:マリウス・プティパ)、『フォー・ボーイズ・ヴァリエーション』(振付:牧阿佐美)、『ル・コンバ』(振付:ウィリアム・ダラー)、『ライモンダ』第3幕(…

日本バレエ協会『眠れる森の美女』2021

標記公演を見た(3月6日 東京文化会館 大ホール)。今年の都民芸術フェスティバル参加公演は、『眠れる森の美女』を コンテンポラリーダンスとクラシックバレエで踊るダブルビル。コロナ禍の制約「密にならない」を逆手にとった 斬新な企画である。コンテン…

新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』2021

標記公演を見た(2月20日, 21日昼夜 新国立劇場オペラパレス)。イーグリング版『眠れる森の美女』は2014年初演。その後 17, 18年と再演され、本公演としては今回が4回目の上演となる。セルゲイエフ舞踊譜に端を発する英国版の流れをくみ、洗礼式の儀式性の…

NBAバレエ団新制作『シンデレラ』2021

標記公演を見た(2月7日 東京文化会館 大ホール)。同団は新制作の『シンデレラ』振付・演出にヨハン・コボーを招聘。コロナ禍のなか、様々な困難を乗り越えて、世界初演に漕ぎ着けた。コボーは、デンマーク・ロイヤル・バレエ、英国ロイヤル・バレエでプリ…

1月に見た振付家・ダンサー2021

● 島地保武 @ 日本バレエ協会「全日本バレエ・コンクール ガラ・コンサート」(1月23日 新宿文化センター) コロナ禍で開催されなかった「全日本バレエ・コンクール」に代わり(訂正 夏の予定が、延期された)同コンクールより輩出されたダンサーたちのガラ…

東京シティ・バレエ団「ウヴェ・ショルツ・セレクションⅡ」2021

標記公演を見た(1月24日 ティアラこうとう大ホール)。演目は、日本初演の『Air !』(82年 シュツットガルト・バレエ団)、団初演の『天地創造』よりパ・ド・ドゥ(85年 チューリッヒ・バレエ団)、再演の『オクテット』(87年 チューリッヒ・バレエ団)の…

谷桃子バレエ団『海賊』2021

標記公演を見た(1月16日 東京文化会館大ホール)。監修はイリーナ・コルパコワ、台本・演出・振付はエルダー・アリーエフ、2015年団初演の全2幕版である。昨年の「NHKバレエの饗宴」、同じく日生劇場バレエ公演で上演予定だったが、コロナ禍で中止に。改め…

新国立劇場バレエ団「ニューイヤー・バレエ」配信2021

標記公演の配信を見た(1月11日 新国立劇場オペラパレス―無観客)。当初演目は、『パキータ』、バランシン作『デュオ・コンチェルタント』、ビントレー作『ペンギン・カフェ』のトリプル・ビル。コロナ禍で指導者の来日が困難となり、バランシン作品を、国内…

大和シティー・バレエ『美女と野獣』2020

標記公演を見た(12月27日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール メインホール)。演出・振付は宝満直也、美術は長谷川匠、衣裳デザインはプロデューサーの佐々木三夏、音楽はショスタコーヴィチ曲による全2幕の物語バレエである。ヴィルヌーヴ夫人の…

2020年公演総括【追記】

2020年の洋舞公演を振り返る(含2019年12月)。 コロナ禍のため、今年は昨年12月から3月までと、7月から11月までの実質9ヵ月の総括になる。自粛期間中は映像配信が充実し、世界のダンス事情を知ることができたが、パフォーミング・アーツの本質、「演者と…

10月、11月に見た振付家・ダンサー2020

● 松崎えり @ 松本大樹監修ダンスブリッジ「ダンスは時代とともに」(10月24日 セッションハウス+配信) 標題は『その空のあおさに友は目を潤す』。同時上演は柿崎麻莉子作・出演、中村蓉演出『drug』。観客の作品理解を深めるため、公演配信前に、平田友…

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』2020

標記公演を見た(10月23日、24日昼、25日、31日昼夜、11月1日 新国立劇場オペラパレス)。今季より就任した吉田都芸術監督初のシーズン開幕公演である。当初はピーター・ライト版『白鳥の湖』を予定していたが、コロナ禍により、前季ラインナップの『ドン・…

バレエシャンブルウエスト『コッペリア』2020

標記公演を見た(10月10日 オリンパスホール八王子)。本来は6月7日に公演予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため延期となり、仕切り直しての上演である。観客の体温検査、手の消毒、来場者カード、市松模様の座席配置など、念入りなコロナ対策…

牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』2020

標記公演を見た(10月3日 文京シビックホール 大ホール)。同団では1982年にウェストモーランド版を導入。以来、再演を重ねる重要なレパートリーの一つとなった(今回は12回目)。振付のテリー・ウェストモーランドは、1958年に英国ロイヤル・バレエに入団し…

大和シティーバレエ「Summer Concert 2020」

標記公演を見た(8月14日 大和市文化創造拠点 シリウス芸術文化ホール)。コンサートの表題は「想像×創造」。佐々木三夏プロデューサー指揮の下、今回もコンテンポラリーからバレエまで、意欲的な創作が並んだ。会場入口には消毒液が置かれ、スタッフはマス…